名張藤堂家の家紋は、藤堂蔦ではなく桔梗。
本家である藤堂家に差別的な扱いを受けた名張藤堂家は、
陣屋のある名張で代々弔われることになりました。
初代である高吉から近代にいたるまでの藩主が徳蓮院に眠っています。
お参りの目的は藤堂高吉のお墓でしたが、
まずその前に福井文右衛門の慰霊塔「流水記功碑」にもお参り。
高吉が名張の藩主となった際、
水路をひいて天水による米作りを行うことになったのですが、
その際に神域侵犯の罪を一身に引き受けて自刃したのが
福井文右衛門という高吉の家臣です。
彼のおかげで名張にはゆたかな水が流れることとなり、
その水流は
文右ヱ門樋と呼ばれています。
そしてこちらが藤堂高吉のお墓。
義理父・藤堂高虎の墓にくらべてなんと控えめなことか…。
あまりにも静かな境内に、思わず感慨にふけってしまいました。
歴史に運命を弄ばれ続けた高吉の境遇を思うと、
やはりいろいろな思いがこみ上げてきます。
そして今回も名張藤堂陣屋にお邪魔しました。
4月に見た桜は散って、今度は新緑が美しい季節でした。
こちらにも桔梗が。
アジサイの庭。
秀吉が高吉をほめた書状。
そして寿栄神社。